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Thursday, February 13, 2020

「ミシュランには来てほしくない」 星失った仏著名シェフ インタビュー:時事ドットコム - 時事通信

2020年02月14日09時35分

【パリAFP=時事】レストラン格付け本「ミシュランガイド」の星はいらない──新たにシェフとして腕を振るうこととなった仏パリのレストランについてそう語るのは、「チェダーゲート」事件の中心人物で著名なフランス人シェフ、マルク・ベイラ氏(69)だ。(写真は仏パリの高級レストラン「フォンテーヌ・ガイヨン」のシェフ、マルク・ベイラ氏)
 「チェダーゲート」事件とは、ベイラ氏がフランス・アルプスで経営するレストランが、2019年1月に三つ星から二つ星に格下げされたことを受け、同氏がミシュランを提訴した問題。今回、シェフとして新たに抜てきされたパリのレストランは、ベイラ氏同様に個性豊かな仏俳優、ジェラール・ドパルデュー氏が前オーナーを務めていた。
 17世紀の邸宅を改装したパリのレストラン「フォンテーヌ・ガイヨン」でAFPの取材に応じたベイラ氏は、「ミシュラン(の調査員)には絶対にここに来てほしくない」と語り、ミシュランの星ではなく、自身の独創的でわくわくするような料理で客の「目を輝かせたい」とコメントした。
 黒い帽子がトレードマークのベイラ氏は、仏アルプスの同氏の店のスフレに、フランス産のルブロションチーズではなく英国産のチェダーチーズが使われていると指摘したミシュランの調査員を「無能だ」とこきおろす。
 しかし裁判所は、ベイラ氏のレストラン「ラ・メゾン・デ・ボワ」の格下げ問題をめぐる提訴を棄却。これを不服として同氏は上訴している。

■「何様だと思っているのか?」
 ベイラ氏は、ミシュランガイドが自らの行動を理解しておらず、また一部のシェフと近しい関係を持つといった数々の「罪」を犯していることを指摘しながら、同ガイドを批判する。「いったい何様だと思っているのか?」
 「私は、三つ星レストランのシェフ7人と二つ星レストランのシェフ21人を育ててきた。一つ星レストランのシェフに至っては、数えられないほどだ」
 「それでも彼らは、私たちが基本からやり直すべきとしている。私たちに50年のノウハウと経験がないとでも言わんばかりだ」
 だがベイラ氏は、自身のレストランが星を失ったことよりもショックだったことがあると語る。それは、伝説的シェフのポール・ボキューズ氏がかつて経営していた仏リヨン近郊のレストランが格下げされたことだ。このレストランは先月、星を一つ失い、二つ星となっていた。
 「ポール・ボキューズ氏に触れてはいけない」──ボキューズ氏のレストランを格下げすることは「フランスのアイデンティティー」の本質を攻撃することと同等だとベイラ氏は述べ、またこのオート・キュイジーヌの「教皇」が、「世界中でレストランをオープンし、多くのシェフを育ててきた」事実についても強調した。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕

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