野球少年、いや野球中年にとって、「巨人の星」といえば、父親からのスパルタ教育がイメージされる。平成、令和の時代は、それが愛情に変わってきたようだ。
「自分の一番の言葉『愛情』です。(山本秀明)監督から、捕手で一番大切なのは、愛情だと高校入学の時に教えられ、投手を立てるのは捕手。捕手は切れたら駄目といわれて、ずっと思ってきました」
高校通算29本塁打。強打の捕手として、ソフトバンクにドラフト3位で指名された日大藤沢高の牧原巧汰捕手(3年)は、11月25日の入団交渉後にこう話した。
監督からの教えを守り続けるバックボーンは、両親から育まれた。父・修平さん(49)は神奈川・相武台高野球部時代に通算10本塁打をマークした内野手。長男が誕生した時から野球をやらせる思惑だった。
だが、先に野球への道を示したのは、母・美智恵さん(48)の友人。出産祝いに、何と名前の刺繍(ししゅう)入りのグラブが届いたのだ。スポーツを始めるには、家庭環境が一番影響するのが常だが、誕生直後から周囲も応援し始めていたわけだ。
修平さんは長男が2歳になるときにバットとボールをおもちゃとして与え、小学校入学後は相模原市の自宅周辺に駐車場として借りた土地にティー打撃用のケージを作り、ボールを上げる日々を送ってきた。進路も捕手を育てることには定評のある山本監督の日大藤沢を選択した。
ソフトバンク・福山アマスカウトチーフは、「バットコントロールは近年でトップランク。人間性もすばらしく、チームリーダーになれる」と新時代の巨人ならぬ『鷹の星』として大きな期待を寄せている。
愛情-。野球人口減少が指摘される昨今。高価なものでなくてもいいから、知人の出産祝いにボール、バットなどを贈ることも野球人の矜持、野球への愛情の証しだろう。(赤堀宏幸)
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December 01, 2020 at 10:00AM
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【球界ここだけの話(2163)】「巨人の星」もスパルタから愛情の世代へ - サンケイスポーツ
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