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Sunday, December 29, 2019

「とちぎの星」令和とともに 2019年回顧> (上)大田主の石塚さん 若手の育成に尽力:栃木(TOKYO Web) - 東京新聞

大嘗祭で使う新米を収穫する神事「斎田抜穂の儀」で稲を刈り取る「大田主」の石塚毅男さん(中央)ら関係者=9月27日、高根沢町で

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 「JA栃木中央会の会長から話がある」。高根沢町の石塚毅男さん(55)は八月下旬の夕、自宅を訪れたJAの地区のセンター長からこう告げられた。「大嘗祭(だいじょうさい)のことですか」と石塚さん。県内から皇位継承の重要祭祀(さいし)「大嘗祭」で使うコメを育てる斎田が選ばれることが決まっていた。センター長は「分からない」と内容は明かさなかった。二日後、高橋武会長らから自宅で直接、斎田耕作者の大田主就任を依頼された。

 「自分でいいのか」と自問自答した。正式決定後、どこに出掛けるにも警備が付き、自宅や斎田となった自らの水田周辺の物々しい警備に面食らった。それでも「コメ作りはずっとやってきたこと。プレッシャーはあまりなかった」と、普段通りの姿勢で臨んだ。九月二十七日、斎田で県オリジナル品種「とちぎの星」の稲を刈り取る「斎田抜穂(ぬきほ)の儀」を無事に終え、宮内庁にコメを納めた。

 大嘗祭の中心儀式「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」に参列した後の十一月十六日、「誉れなこと。一農家の私の参加で、農業を一生懸命にやっている人たちの励みになったと思う」と大役を振り返った。儀式からしばらくたった今月中旬、石塚さんを訪ねると落ち着きを取り戻している様子だった。「身近にいる家族が一番大変だったのではないですかね」と、家族の協力をねぎらった。

 「農家になる」と子どものころから公言していた。県農業短期大学校(現・県農業大学校)の卒業間近に父が他界、二十歳で就農した。父を失い、地域の二人の先輩に教えを請うた。「一人は全てをしっかりとやる人。一人はうまく省力化する人だった」。いいところを取り入れて技術に磨きを掛け、「若手リーダーとして能力を発揮する新進気鋭の農業者」と大田主に推薦されるまでになった。

 農家の後輩として石塚さんを慕い、抜穂の儀で補佐した小島敬介さん(43)は「石塚さんの田んぼはいつもきれいなんです。大事なところは手を抜いていない証拠」と目を見張る。技術指導も受けるが「『楽しく農業をしよう』が、一番の教えかな」。石塚さんは「農業は一人ではできない。自分がしてもらったように、若い農業者にできる限りの支援はしたい」と、後進の育成にも力を注ぐ。

 「やりたいことを貫けば良いことがある」。石塚さんは今月十七日、母校の町立阿久津中学校で、在校生たちにエールを送った。一緒に給食を食べ「三食ご飯を食べるという生徒が多く、うれしかった。コメ離れは心配ない」と胸をなでおろした。とちぎの星は粒が大きく、「自然とよくかむようになるから甘みが増し、おいしく食べられる」。そんな栃木のおいしいコメを変わらず作り続ける。

    ◇

 二〇一九年は、令和の時代の始まりとともに、大嘗祭の斎田として県に注目が集まった。年末にあたり大田主の石塚さんや、とちぎの星のこれまでを振り返りつつ、将来を展望する。

「楽しく農業を」と笑う石塚さん(右)と小島さん=19日、高根沢町で

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