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Wednesday, January 17, 2024

【ビューティストという生き方】dr365・三上大進さん編 - ELLE JAPAN

rasibintangs.blogspot.com

美容を天職とする人にフォーカスをあてた連載【ビューティストという生き方】に、スキンケアブランド「dr365」をプロデュースする三上大進さん(大ちゃん)が登場。インスタライブの同時視聴者数は常に2000人越え。スキンケアアイテムも大ヒットが続く、まさに“美容業界のアイドル”の青春時代から現在までを深堀りする!

母親から受け継いだ“美”のエッセンシャル

a person smiling and wearing a blue jacket
KAZUHO HIRANO

「私がまだ幼かったころ、母は当時(約30年前)ではめずらしいネイリストという職業でした。自宅にはカラフルなネイルやラインストーン、ビジューが溢れていて、ネイルが美しくデコレーションされていく様子は今でも記憶に残っています。その過程を見ながら“美”が人に与えるときめきを知れたし、“美”が自分の人生に欠かせないエッセンシャルになったのも母の影響が大きいと思います。

母は身だしなみにかなり厳しく、小さいころから『爪は2mm以上伸ばさない』『シャツの下にはインナーを着る』など、しつけ以外のTPOにも厳格でした。まだ子どもだったのでキャラクターのお洋服を着たい気持ちもあったのですが、今あらためて当時の写真を見返すと、シチュエーションにも合っているし、素敵だなと思える。障害を持って生まれた私がどこに行っても恥をかかないようにと、しつけてくれていたのだと思います」

スキンケアが“自分を大切に思える”きっかけをくれた

a person wearing a blue sweatshirt and hat and holding a cigarette
KAZUHO HIRANO

大ちゃんの魅力である天真爛漫な明るさと天性の愛され力。幼少期から今と同じ性格だったのか。

「明るい性格なのに、未だに彼氏ができないのなぜでしょうか(え?)。 それはさておき、まだ言葉が喋れない幼児期でも喃語を話して、大人たちの会話に必死に参加していたようです。まさに“口から生まれた子”ですよね(笑)。小中高は一貫校だったんですけど、おそらく喋ったことがない人はいないくらい人見知りもせず、誰とでも仲良くできる性格でした。

ただ、思春期になると恋愛や外見に敏感になるじゃないですか。当時から男性が好きだと認識はしていましたが、私も生物学上は男だし、そのときはコンプレックでもあった障害もある。いくら私が可愛くても(え?)、マリちゃん、ユキちゃん、リサちゃんに比べると圧倒的に不利なことに気づいて落ち込むこともありました。そんな自分の背中を押してくれたのは、忘れもしない『肌水』。お小遣いを握りしめて近所の薬局で買った初めての化粧水です。『肌水』を肌になじませているとき、自分自身を慈しめるというか、『こんな私でも大丈夫だよ』と許してくれるような、そんな癒やされる感覚がありました。そこからスキンケアを毎日コツコツと続けていったら『大進、肌きれいでもちもちだね』と周りから褒められることが増えたんです。自分にないものをねだるのではなく、“今自分にあるものを磨こう”とポジティブな気持ちに代わったことで、自己肯定できる機会も増えていきました」

自分の居場所を気づかせてくれたのは、フレグランスの広告の空白のスペースだった

a glass bottle with a label
KAZUHO HIRANO

ドルチェ&ガッバーナ フレグランス アンソロジー コレクション 10

「美容業界に進もうと思ったきっかけは、留学先のフィンランドで出合った広告ビジュアル。今でこそ男性が美容に向き合うことに後ろめたさはないですが、15年くらい前は百貨店のコスメフロアに男性が一人でいると浮いたような感覚がありました。でも、フィンランドではBAの方も男性が多く、美容業界自体に男性を受け入れてくれているような空気感があったんです。

その心地よさも感じつつ、私が美容業界を進む道しるべになったのが『ドルチェ&ガッバーナ アンソロジー コレクション 10』。当時のフレグランスもレディースとメンズが明確に分かれていることがスタンダードでした。この『アンソロジー コレクション』シリーズの広告は、各ナンバーにヌーディなスーパーモデルを立てていたセンセーショナルなビジュアルでした。でも、10のビジュアルだけはモデルが誰もいない空白の広告だったんです。誰も立っていない空白のスペースにより、“美”に性差は関係ないと思えたし、『ここに自分がいてもいいのかも?』と、背中を押してくれたような気がして。このとき明確に外資系の美容会社に入社したいと思い、“多様性”をコーポレートビジョンに掲げている日本ロレアルに就職しました」

“人生を彩るのは自分”。チャレンジを後押しした明訓

a person holding a toy
KAZUHO HIRANO

ロクシタンジャポンを退職するときに同僚からもらったオリジナルパッケージのシアバター

日本ロレアルではスキンケアブランドのマーケティングを数年担当し、ロクシタンジャポンに転職して数年。海外での挑戦のチャンスもありつつ、日本でそのまま頑張るのか、迷っていたときに第三の選択肢が出てきたそう。

「オリンピックムードが高まる中、NHKが東京パラリンピックのキャスターを募集していることを知りました。留学経験を生かして通訳のボランティアをやりたいと思っていたので、通訳要員としてオーディションに参加したのですが、私が可愛かったので(え?)、キャスターとして合格してしまったのです。化粧品会社でのマーケティングの仕事も好きだったので迷っていることを当時の社長に相談すると『大進は今までもこれからも、スキンケア、ボディケア、フレグランスと色々な製品を担当するかもしれない。でも、2020というプロダクトのチャンスは今しかないんじゃないかな』と。今思い出しても素敵なメッセージですよね。ロクシタンには“アール・ド・ヴィーヴル(美しく暮らす)”という言葉があって、自然と調和しながら暮らすという意味以外に、“自分の人生を大切にする”というニュアンスも含まれているのではないかと感じて。そんな後押しもあり、東京2020パラリンピックのキャスターに挑戦しました」

障害があるからこそ開けたキャスターへの扉

「生まれつき障害のある左手によって諦めたことは正直数えきれないです。両手を使うアトラクションやゲームはできないし、サークルの加入を断られたことも。またか……、と思うことに慣れていた人生でした。

でも、東京2020パラリンピックのキャスターでは、障害を持っている選手へのインタビュー中、『わかる! 私もそう』と障害の話で何度も共感することばかり。これは障害を持っている私だからこそ伝えられることなんだと、大げさですが天命のような感じもしました。今までネガティブに思うことが多かった左手があったからこそ連れてきてくれた景色なんだと。この障害とセクシュアリティで感じさせてくれた東京2020パラリンピックは一生の財産になりました」

応援してくれる“姫ズ”の悩みに寄り添いたいから生まれた「dr365」

a group of bottles on a shelf
KAZUHO HIRANO
(左から)V.C. メルトスクラブウォッシュ 100g ¥2,805、V.C. プレエッセンス 30㎖ ¥5,335、V.C. セラムインローション 100㎖ ¥3,740、V.C. ドリップステムエマルジョン 100㎖ ¥4,125/dr365

大ちゃんのスキンケアブランド「dr365」は、効果実感と良心的な価格で美容業界でも大きな話題になっている。

「『dr365』を作る根幹になっているのは、フォロワーのみなさんの肌悩みを解決したいという思い。コロナ禍で世の中が塞ぎこんでいたとき、スキンケア相談会のようなインスタライブを定期的にやっていたんです。すると年代問わず毛穴に悩んでいる人が多いと知り、自分の知識を少しでもみなさんのために還元したいという思いから、スキンケアブランドをスタートしました。

とはいえ、初めての美容液を作るときは、かなり苦労しました。化粧品のOEM会社に30件以上電話をかけても、門前払いがほとんど。30分以上保留で待ったこともあります。ゼロからイチにする大変さを知りました。でも、私を信じてくれるフォロワーさん“姫ズ”のみなさんのために、出来上がった製品は、利益よりも毎日使ってもらえるよう『365日分の処方と効果』を念頭にこだわった自信作ばかりです。余計なコストをかけないため広告は使わないですし、それぞれの製品に合った技術や成分があるので、アイテムごとに工場を変えているのも特徴です。

“姫ズ”のみなさんから『義務と思っていたスキンケアが楽しくなりました』『現状維持だったアトピー肌に一歩先が見える』など、うれしいコメントもたくさんいただき、苦労も報われました。2023年はタイへの進出も果たし、これまで以上にパワーアップしていきますので、ぜひご期待いただけるとうれしいです」

湯舟には毎日つかる。場面によって入浴剤も使い分け

a table with a jar of spread and a box of chocolates
PHOTO:KAZUHO HIRANO

(左から)雪塩ラボ ミネラルソルトホームスパ、クナイプ バスソルト 40gサイズ、ジョルダニアン デッドシー ソルト

「どんなに忙しくても湯舟には毎日必ずつかるようにしています。『ジョルダニアン デッド シー ソルト』は死海の塩で短い時間でも体がぽかぽか温まるのでお気に入り。持ち運びができる『クナイプ』は、出張先で。いつもと違う環境だと体がこわばりがちなので、お気に入りの香りで意識的に緊張をほぐしています。『雪塩ラボ ミネラルソルトホームスパ』は、ミネラルやマグネシウムが豊富で肌のバランスを整えてくれると言われています。気分や疲れ具合によって使い分けています」

酷使する目元は意識的に温感ケア

a group of cards on a table
KAZUHO HIRANO

ポムポムプリン限定パッケージのめぐりズム 蒸気でホットアイマスク

「1日2万回まばたきをすると言われているまぶた。目元が凝ると、首や肩、最終的には体全体に影響が出るので、移動中や隙間時間で積極的に『蒸気でホットアイマスク』を使っています。大好きなポムポムプリンの限定パッケージをまとめ買いしました」

寝る前の10分はスマホを触らず、五感を研ぎ澄ませる

a group of objects on a table
KAZUHO HIRANO

ウッドウィック キャンドル、ル ラボ サンタル 33 パフュームオイル

「気づいたら1日中スマホとにらめっこしているので、寝る直前はスマホを触らずキャンドルを焚いています。いろいろなキャンドルを持っていますが、今は『ウッドウィック』がお気に入り。灯り、香り以外に焚火のようなパチパチとした音が出るので、ストレッチをしながら焚いています。『ル ラボのサンタル33 パフュームオイル』は、女優仲間(え?)の川口春奈さんがくれたアロマオイル。ボディにそのままつけたり、ボディクリームに混ぜたりして愛用しています」

完璧ではない自分を愛することを忘れずに

a woman smiling and wearing a blue sweater
KAZUHO HIRANO

「美容と向き合うと誰もが完璧を求めてしまうと思うんです。『白髪が出てきたから染めなきゃ』『ニキビができたからコンシーラーで隠す』とか。完璧な美を目指すのは尊いことではあるけれど、ときに疲れてしまうこともあると思うんです。パラリンピックの経験、姫ズのみなさんとのコミュニケーションで得ることができたのは、パーフェクトでスーパーマンな自分になることは難しいかもしれないけれど、過去の経験や努力を積み上げてきた完璧じゃない自分を愛せるようになったこと(あと、欲を言えば彼氏はほしいけど)。これからも美容を通して“自分のことを好きになるきっかけ”をみなさんにお届けしていきたいです」


PROFILE
三上大進/1990年東京都生まれ。「dr365」開発者。日本ロレアル、ロクシタンジャポン、NHKキャスター・リポーターを経て現在に至る。生まれつき左手の指が2本という、左上肢機能障害を持つ。インスタグラム (@daaai_chan)のフォロワー数は14万人を越え、美容業界だけでなく、テレビでのコメンテーターの一面も。いちごが好き。

Photo:KAZUHO HIRANO Styling:FUKAMI Hair&Makeup:CHINO RIE(beauty direction) 

シャツ¥26,180/シスタージェーン パンツ¥16,940/ムウ ト アール シューズ・アクセサリー/スタイリスト私物

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