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Wednesday, October 25, 2023

「スキンケア・においケアにメイクも、若い男性世代の化粧意識高まっている」…マンダム・西村健社長 - 読売新聞オンライン

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 コロナ禍から経済活動が再開し、化粧品業界の売り上げは好調に推移している。人口減少で国内市場は大きな成長が見込めない中で、インバウンド需要や、男性向け商品の拡大を期待する。マンダムの西村健社長に戦略を聞いた。

 ――国内市場をどうみているか。

 「2021年が底で、昨年から回復し始めた。今年は多くの人がマスクを外し、さらに上向いている。コロナ禍は落ち着いても、国内の女性向け化粧品の市場拡大は難しい。消費者の手が届く価格帯は商品が出尽くしているし、市場は成熟している。人口減少に合わせて縮小していくだろう。

 成長カテゴリーに位置付けているのが、男性向けだ。若い世代の化粧に対する意識が高まっている。以前は、顔を洗う、髪形を整える程度だったが、スキンケアやにおいケア、メイクまでするようになった」

 ――男性の化粧意識が高まっているのはなぜか。

 「価値観の変化に加え、SNSを通じて不特定多数の人に見られる環境が当たり前になってきたこともある。スマートフォンのカメラ性能も改善した。インスタグラムやX(旧ツイッター)に投稿する時に、きれいな肌質やかっこいい髪形を見せたいという意識が強くなった。

 30~50歳代の美意識も高まっている。オンライン会議が増え、しわやしみを気にする人が増えた。昨年発売したスキンケアクリームは、しわ対策の成分を含んでおり、価格は1800円ほど。従来商品よりも高めだが、売り上げ上位に食い込んでいる」

 ――若年層では流行がすぐに変わる。

 「1990年代半ばに生まれたZ世代を中心に、好みや習慣がものすごい速さで変化している。意思決定に時間がかかる大企業は、流行をとらえて商品化するまでに時間がかかり、ニーズを取りこぼしてしまうのではないか。いかに素早く対応できるかが大事だ。

 マンダムは昨年、人工知能(AI)を活用し、コスメの流行を先読みするシステムを開発した。SNSで影響力を持つインフルエンサーの投稿を分析して、新商品につなげる仕組みだ。Xを中心に、いまどんなモノがはやっているかをAIが見つけ出し、開発者が参考にしている。生活者の感覚を大切にしながら、情報を集めることが大事だ。

 人間だけでは、世の中に出てきたモノの氷山の一角しか見えない。AIは埋もれている部分まで掘り起こせる。それをきっかけにヒット商品が生まれ、習慣や文化につながる可能性もあると思う」

 ――化粧品業界の成長で大事なことは。

 「ブレイクスルーが必要だ。新たな分野に挑戦したり、より高い価値がある商品を発売したり、トレンドにあわせておもしろい提案をする必要がある。日本は革新的な製品やサービスを生み出しにくいといわれるが、化粧品は新しいことを試しやすい業界だと思う。

 丸刈りが多かった高校野球でも、頭髪の自由を認める学校が増えた。世の中の価値観は変わっている。マンダムは、男性向けヘアカラーを一般化するなど、タブーの基準を下げる取り組みを大胆に進めてきた。誰からも文句を言われないようにと臆病にならず、届けたい人に届く商品をもっと作らないといけない。他社に刺激を与え、業界をリードしていきたい」

  ◆西村健氏(にしむら・けん)  2005年早大人間科学卒、08年入社。シンガポール駐在や経営戦略部長、取締役常務執行役員などを経て、21年4月、父親の元延氏(現会長)に代わって、社長に。バスケットボールが趣味で、休日は社員と汗を流す。大阪府出身。

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