赤ちゃんの肌はつるつる・すべすべだけど、とてもデリケート。小さいうちからのスキンケアが大切です。乳幼児のスキンケアについて教えてもらいました。
今回は、食物アレルギーとスキンケアです。実は、「スキンケア」と「食物アレルギー」には密接な関係があります。食物アレルギーのリスクを下げるために、乳幼児の皮膚の状態を良好に保つことが必要なのです。
馬場直子(神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長)
皮膚トラブルと食物アレルギー
「皮膚トラブルのある乳幼児のほうが、食物アレルギーになりやすい」という研究報告があります。
人間には本来、食べ物を異物と認識せずに体内に取り入れる力が備わっています。それは、炎症のない小腸などの消化管から体内に取り入れる場合のことです。
皮膚が荒れ、炎症があるときは注意しなくてはいけません。バリア機能が破壊された皮膚から食べ物などの異物が入ると、私たちの体は食べ物を敵とみなして、抗体をつくり排除しようとします。これが、食物アレルギーを引き起こすことにつながるわけです。
食物アレルギーを予防するために
食物アレルギーを予防するためには、皮膚に炎症を起こさないことが大切です。保湿剤で皮膚炎を予防し、皮膚炎が起きたら薬を塗って早くバリア機能を回復させましょう。生後数か月のうちに、このようなスキンケアを始めることが、その後の食物アレルギー発症のリスクを下げることにつながります。
離乳食が始められる時期になっても、食物アレルギーが怖くて、卵やピーナツなどの新しい食物を与えるのを控えてしまうかもしれません。でも、食べる時期を遅らせるのではなく、適切な時期に少しずつ食べ始めていくことがよいとされています。
皮膚に炎症があれば、早めに病院を受診し、皮膚炎を完璧に治療する。そして、離乳食を遅らせることなく開始する。それらが、食物アレルギーのリスクを下げることにつながります。
口まわりのスキンケア
特に気にしておきたいのは、食べ物が付きやすい口まわりです。口まわりに皮膚トラブルがあると、食べ物の成分が入ってきてアレルギーになりやすくなります。食事の前からスキンケアを行うことが必要です。
食事の前には、ワセリンを塗って肌を保護しましょう。
ワセリンには皮膚の表面に保護膜を作るはたらきがあります。角質層の水分の蒸発を防ぐことで皮膚の乾燥を防ぎ、外の刺激から肌を守る効果があります。
食事の後は、口の周りを水で洗い流しましょう。直接水で洗うのが難しい場合は、ぬれたティッシュやベビーオイルで湿らせたコットンなどを使います。
こすらず、やさしく押し拭きしてください。
きれいにした後は、再度ワセリンを塗って皮膚を保護してください。
※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです
からの記事と詳細 ( 乳幼児の皮膚トラブル(2)食物アレルギーとスキンケア - nhk.or.jp )
https://ift.tt/ZmlabFJ
No comments:
Post a Comment