Pages

Friday, May 8, 2020

地球から一番近いブラックホールを発見、連星に隠れていた(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース

肉眼でも見える「ぼうえんきょう座」の中に

 南半球では冬になると頭上に「ぼうえんきょう座」が見える。この星座の中に青い光の点が輝いている。青い光は1つの明るい星のように見えるが、実際には2つの星と1つのブラックホールという3つの天体からなる三連星系であることがわかった。現時点で、地球から最も近いブラックホールが見つかったことになる。

ギャラリー:2019年のイチ押し宇宙画像 超新星から巨大ブラックホールまで 11点

 5月6日付けで学術誌「Astronomy & Astrophysics」に発表された論文によると、新たに発見されたブラックホールは太陽系から約1011光年のところにある恒星系HR 6819にあり、目に見える2つの星とともに軌道上を運動している。ブラックホールの質量は太陽の約4倍、次に近いブラックホールより約2500光年も手前にあると推定されている。

「この恒星系は1980年代から研究されていた明るい天体なのですが、よく見えているところにとんでもないものが潜んでいたというわけです」と、米カリフォルニア大学バークレー校の天文学の博士課程学生で、連星系の研究をしているカリーム・エル=バドリー氏は話す。氏は、今回の研究には参加していない。

 私たち人間からすると、1000光年という距離は途方もなく遠い。地球から太陽までの距離を髪の毛1本の直径と考えると、HR 6819は地球から約6.4kmも離れている。しかし、銀河系が直径10万光年以上あることを考えると、地球からHR 6819までの距離は非常に近い。これは、銀河系の中に無数のブラックホールがあることを示唆している。

「あなたのすぐ近くに何かが見つかり、そこが特別な場所でないとすると、それはどこにでもあるに違いありません」と、論文の筆頭著者であるチリの欧州南天天文台(ESO)の天文学者トーマス・リビニウス氏は語る。

恒星とともに回転するブラックホール

 ブラックホールは、光さえも逃げ出すことのできない非常に強い重力場をもつ超高密度天体だ。研究者たちは以前から銀河系には何億個ものブラックホールがあると推測していたが、こうした暗黒の天体を見つけることは非常に難しい。

 銀河系内ではこれまでに数十個のブラックホールが見つかっているが、いずれも、近くにあるガスの雲を「食べて」いる現場を目撃されたものである。のみ込まれるガスがブラックホールの縁のまわりに渦を巻き、そのときに放出するX線が見えるのである。しかし、銀河系にあるブラックホールの大部分はこうした形でも目に見えないため、発見するにはその重力が周囲の物体に及ぼす影響を観測するしかない。

 実は、HR 6819を調べている天文学者たちは最初からブラックホールを探していたわけではなく、お互いのまわりを公転している1対の奇妙な星について、もっとよく知りたいと考えただけだった。

 外側の軌道を回る星はBe星(ビーイーせい)と呼ばれるタイプの恒星で、太陽の数倍の質量をもち、より高温で、より青い色をしている。赤道での回転速度は秒速約500kmで、太陽の200倍以上の速さである。リビニウス氏は、「自転速度は非常に速く、物質が振り落とされてしまいそうなほどです」と言う。

 2004年、チリのラ・シラ天文台にあるMPG/ESO 2.2メートル望遠鏡でHR 6819を4カ月にわたって観測したところ、この恒星系が一般的な連星ではないことが明らかになった。内側の星は40.3日周期で第3の天体のまわりを回っているようだった。そして、大型のBe星の方の軌道ははるかに大きく、内側の星と第3の謎の天体の両方のまわりを回っていた。

 5年後、ヨーロッパ南天天文台のスタン・シュテフル氏が、ブラックホールが潜んでいる可能性のあるHR 6819の観測をもう一度行おうと動き出した。しかし、シュテフル氏は2014年に交通事故で死亡し、研究は中断してしまった。

 2019年11月、Be星の専門家であり、シュテフル氏の長年の同僚でもあったリビニウス氏は、HR 6819の観測をもう一度行うべき新たな理由を見つけた。別のグループが、太陽の約70倍の質量のブラックホールをもつLB-1という恒星系を詳細に調べて論文を発表したところ、激しい論争が起きた。質量の大きい星が超新星爆発を起こした後にできるブラックホールについての従来の知識からすると、この質量のブラックホールが形成されるはずがなかったのだ。

 しかし、リビニウス氏のチームは、LB-1のデータが、数年前にHR 6819で見たものと非常によく似ていることに気付いた。彼らは第3の謎の天体について調べはじめ、内側の星の軌道と明るさの計算に基づき、目に見えないこの天体が太陽の4.2倍以上の質量をもっていることを明らかにした。

【関連記事】

Let's block ads! (Why?)



"星" - Google ニュース
May 08, 2020 at 03:11PM
https://ift.tt/2WcZJxV

地球から一番近いブラックホールを発見、連星に隠れていた(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース
"星" - Google ニュース
https://ift.tt/33RTsIM
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment